今更ながら、あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしく、お願い申し上げます。
新年早々、石川県はじめ北陸地方の方々には、大変なことが起こりましたね。
私も大学が北陸の富山でして、富山でいろいろな事を学び、生活をしていましたので、この災害は他人ごとではありません。
亡くなった方々のご冥福をお祈りし、被災された方々の一日も早いご復興をお祈りいたしております。
さて、私事ですが、先週水曜日の夜、ちょっと右耳の奥が、かゆかったので耳掃除をしようと綿棒でほじほじしていたところ、その綿棒を抜いたとたんに突然激しい耳なりがして、右耳が聞こえなくなったのです。
そりゃあもう、あせりました。
左耳は聞こえるからまだいいのですが、右耳はほとんど聞こえず、人の話声が、はるか遠くのほうから聞こえてくるのです。
一時的に、鼓膜にちょっと傷がついたのだろうな、一晩寝たら治るんじゃね? なんて気楽に考えていました。
しかし翌朝も、右耳は聞こえないんです。
診察中も、患者さんの声が遠くから聞こえるくらい。
特に困ったのは、血圧測るときです。
私は、高血圧症など生活習慣病で、診察に来られる患者さんには、必ず血圧計をつかって聴診しながら血圧測定をするのです。
そのとき聴診器を片方の耳にだけ入れて、血圧測りながら、他方の耳で患者さんのお話しを聞くのが、自分の診察スタイルです。
しかし右耳に聴診器いれると、全く鼓動が聞こえないので血圧測れないし、左にすれば、鼓動は聞こえても患者さんの話し声が聞こえないので、お話できないし。
とっても困ったもんです。
さらに耳の遠いご高齢の患者さんとお話すると、僕も耳が遠いので、聞こえない者どおし、大声での会話になってしまうんです。
耳が聞こえなくなると、仕事もはかどらないし、聞こえないから患者さんの訴えもよくきけないし、だんだんと診察する意欲もうせてしまって、診療にも支障がきたしてきます。
そこで、木曜日の昼休み、懇意にしてる耳鼻科のK先生に連絡し、相談しました。
すると、「内耳炎かもしれないけど、とにかくさわらず、そっとしておいて」とのこと。
突発性難聴だったらどうしようと、ちょっと心配になりましたが、耳鼻科はこの日は木曜日で休診でしたので、わざわざクリニックを開けていただくわけにもいかないので、翌日金曜日の昼過ぎに診ていただくことになりました。
翌、金曜日も同じく右耳は聞こえず、気分は最悪に落ち込んでいました。
もうこのまま診察がうまくいかず、患者さんの信頼も失って、クリニックもつぶれてしまうんじゃ・・
なんてことが、頭をよぎりました。
昼休みの1時半ころ、K先生のクリニックを訪ね、さっそく右耳を診てもらいました。
K先生が、耳の中をみて、映し出されたモニターをみていてください、とのこと。
光に照らされた耳の奥に、金色に光る物体が、何やら耳の中をふさぐようにしていたのです。
この金色な物体は、実は耳あかの塊でした‼
これをK先生が丁寧に取り除き、時には吸引して吸い取ったりしていくと、、、
最後に、「ちょっと痛いですよー」 っておっしゃったあと、耳の奥を針でさされたような激痛が走ったのです。
と、その直後に、すーっと耳が通るように、物音がよく聞こえてきました。
そして、モニターの一番奥に、ついに鼓膜が姿を現したのでした。
耳あかがたまって、一番奥の耳あかが、鼓膜にへばりついていたのです。
要するに、耳あかが、大量に溜まって耳の穴をふさいでただけ、それを私が耳掃除中に綿棒で押し込んでいた、ってことなんです。
なんともお恥ずかしいことです(^^;)
K先生が言うには、外耳道は自ら清潔に保とうとする自浄作用があるので、耳そうじはしなくてもいい、放っておくのが一番いいのだそうです。
よって 私の難聴騒ぎは、ただの耳垢症だったのです。
突発性難聴でなくて、本当によかったです。
K先生が取り除いた耳垢を見せてもらうと、えぇ!こんなに!って思うほど溜まっていました。
思わず恥ずかしかったのですが、なんでも同じ医師会仲間の、眼科のS先生はもっとたまっていたそうです。
これをK先生が、私に対してと同様に、取り除いたらしいのです。
だれでもこんな経験はあるもんなんですね。
それにしても、五感のうちひとつでも不自由ってことは、こんなにも大変なんだなと思いました。
やっと障害者の方の気持ちが、少しわかった気がしました。
ましてや、耳が全然聞こえないのに、オリンピックにまで出ようという意欲があるなんて、パラアスリートの人、尊敬します。
たった数日、しかも片方だけ聞こえないだけで、へこたれちゃいけませんな。
年明け早々、ちょっとしたトラブルに見舞われましたが、いい経験で勉強になりました。