にわかに春めいてきましたね。
桜が咲いてきたな、と思ったら、あっという間に散っちゃいました。
今年は、お花見をするどころか、きれいな写真も撮る暇もありませんでしたよ。
数週間前、その桜が咲き始めたころのことですが、ある日の早朝に首から右肩にかけて、痛くて痛くて目がさめました。
前夜、うつ伏せで変な姿勢で寝ていたので、寝違えたんだろうなと思っていました。
こんなことは日常茶飯事で、当院にも似たようなことで患者さんが相談にいらっしゃいます。
しばらくは我慢してましたが、しだいに肩から腕にかけてしびれて痛くなってきたので、頚椎が悪くて神経痛になったんだろうな、と思っていました。
もともと若いころにラグビーで首を痛めたことがありましたから、最初はたいして心配していませんでした。
湿布したり、当院の理学療法機器で首を牽引したりして、そのうち治るだろうと高をくくっておりました。
ところが、痛みは右肩から右上腕に広がり、その痛みは悪くなるばかり、夜中に痛みで目がさめてしまい、寝不足になってしまいました。
何か重大な病気があるかと思い、当院で頚椎MRIをとりましたところ、ごく軽い第5/6頚椎のヘルニアがありましたが、自分の見立てではたいしたことがない。
ふだん患者さんには、あまり痛み止めをお勧めしてないのですが、自らその掟をやぶって、痛み止めを服用して寝ていました。
痛みがでて数日たったころ、右手に湿疹がでて、痛かゆくて仕方なくなってきました。
最初は、夜中にダニか何かに食われたのかと思っていまして、ただでさえ神経痛でいたいのに、まさに泣きっ面に蜂でした。
でも、その湿疹はだんだん右上肢全体に増えてきて、ついには親指と人差し指に・・
聡明なみなさんは、お分かりになったかもしれませんな。
でも私は痛みが出てから、一週間たって、やっと気がついたのです。
そう、右上肢、第6頚神経の支配領域にできた帯状疱疹でした。
帯状疱疹ていうと、側胸部や側腹部にできたり、顔にできたりするのはよくみるのですが、手にできるのは、初めてみたので、わかりませんでした。
てっきり、寝違えて首のヘルニアが悪化したんだろう、と思っていました。
かくして、1週間抗ウイルス薬を真面目にのんで、毎日塗薬をぬっていたら、湿疹もほとんど消え、痛みも癒えたのです。
それにしても自分の体を診断するのって、難しいものですなあ、、
先入観はいけません。
つねに、病気は客観的にみなければ・・
患者さんに対してもね。
まさに自らの身をもって、勉強になりました。