たかが頭痛 されど頭痛。日本頭痛学会が今月開かれます。
といっても、コロナウイルス感染予防のため、会場に参加できるのは、座長・演者の先生やスタッフの方々のほか、選ばれたごく少数の方だけで、ほとんどの頭痛学会会員は、webでの参加しか許されません。
これは、どの学会でも一緒ですね。
毎年、この学会は木曜から土曜の夕方までの日程で行われるので、私はほとんど参加できませんでした。
でも何とか少しでも参加しないと、せっかく取得した頭痛専門医、剥奪されちゃうんですよね。
出席できても土曜日の午後のみ。
会場に着いて参加費払って、登録して、会場に入ったらすぐ終わってしまう、何の勉強にもならずにお金はらっただけ、ってことが毎年つづいていました。
だから、今年はたとえwebでも生の講演を聞けるので、ある意味ではラッキーです。
今年は、講演聴いて、勉強しなきゃ(;^_^A。
コロナ渦でも、いいことってあるんですよね。
あのGo to トラベルもそうですし、何事もいいほうにとらえなきゃいけませんな。
私の外来に来ている頭痛患者さんですが、やはりコロナ渦で恩恵をうけた人もいます。
数年前から当院に通院していただいてる、男性サラリーマンですが、当初は毎日のように頭痛に悩まされて来院されていました。
痛み止めばかり服用していては、薬物乱用性頭痛になってしまいます。
それでも、毎日鈍痛があるので、筋緊張性頭痛と考えて、筋弛緩剤をいろいろ試し、なんとか乗り切っていましたが、頭痛のために会社に行けず、しょっちゅう診断書を書いてもらって、休んでいました。
もともと頭痛って、精神的ストレスが左右する事が多いようですから、いろいろ話を伺うと・・
どうも会社で上司と話すのが苦手らしく、登校拒否ならぬ出勤拒否みたいな感じになりつつあったようです。
サラリーマンですから、行くのもストレス、行かないのも会社や同僚に悪い、うしろめたい、その板挟みだったんでしょう。
これじゃ、頭も痛くなりますよね。
その患者さん、ときどき当院に来て、辛い顔して、私に愚痴を言っては筋弛緩剤もらって帰っていく、そのたびに診断書を書いてもらって、、
ところが、その方、今年の3月ころから来院する回数が月1-2回に減り、外来に来ても毎日ニコニコしているんですよね。
どうやら、自宅待機で、Webでの仕事の毎日なんだそうです。
直接上司と顔を突き合わさなくていいし、出勤しちゃいけないよっていうんだから、会社にうしろめたさもないし、堂々と自宅でリラックスしていられるわけですから、この患者さんにとっては願ったりかなったりです。
なるほど、やはりこの方の頭痛の原因は、ストレスだけだったんですね。
今では筋弛緩剤も頭痛薬もほとんど服用せず、でも当院には来ると安心するのか、持病の高血圧の薬だけ処方されて、ルンルンで帰宅していきます。
他にも同じような頭痛患者さん、いっぱいいるんじゃないでしょうか。
災い転じて福となる、人生山あり谷ありですね。
今年の冬も、きっと良いことある!
一緒にのりきりましょう。