ドブロブニクを後にして、次に私が向かったのは、スプリトという、クロアチア第二の大都市です。そこまで230km以上の道のりです。
逆走しないように、常々「右側通行、右側通行」と口ずさみながら、運転に疲れたら、名もない田舎町で一休みしながら、目的地に向かいました。
スプリトという街も、素敵だとは聞いていたのですが、私の目的はそこにはなかったのです。
スプリトから船で渡った先の小島、そこからさらに小船に乗って、青の洞窟っていうそれはそれは美しいといわれた、洞窟に行くことが目的でした。
青の洞窟といえば、イタリアのカプリ島が有名ですが、実は10年ほど前に一度行ってみたけど、潮の加減で入れなかったんですよね。
今回はそのリベンジもかねて、行ってみたかったのです。
このクロアチアの青の洞窟も、天候や波の高さによっては、入れないこともあるそうですが、せっかく遠くまでいくのだから、どうしてもその青の洞窟に行きたかったんですよ。
そのためには、青の洞窟がある無人島のすぐ近くにある、ビス島というとこに泊まって、現地のツアーに参加するのがいいとのことでした。
綿密な計画を立てて、スプリト港の近くの駐車場に車を駐車して、16時発のフェリーにのって、ビス島に向かいました。
ビス島って小さな島なのですが、地元の人には有名なリゾート地らしく、深夜までビーチ沿いにレストランやパブが開いていて、まるでお祭り騒ぎです。
どうせ一人ですし、安い宿でいいやと思って予約した宿は、海の家みたいな、共同シャワーに共同トイレ、部屋はたった8平米、部屋にあるのはベッドのみ、なのです
まあ、たまにはこんなところもいいかと思いましたが、いくら治安のいいといわれるクロアチアであっても、異国の地ですから、パスポートと財布だけは肌身離さず胸にかかえて就寝しました。
翌朝、前日に予約していたツアーのカウンターに行き、案内されたボートにのりますと、12-3人のツアー客と一緒になりました。
全員、クロアチアの方でしかも3家族、知り合いみたいです。私だけが外国人でしかも、全く部外者。
疎外感にさいなまれまして、しかもツアーを取り仕切る船長さんは全部クロアチア語で説明しています。
ますます不安になりましたが、ご家族のお父さんやお母さんが、私に声をかけてくださって、親切に英語で、身振り手振り、説明してくださいました。
私も片言の英語で接し、なんとかこのグループに打ち解けたのです。
洞窟のある無人島にたどりつくと、いったん船をおちて、待つこと20分くらい、小さなボートにのりかえて、洞窟に向かいます。
なかなか洞窟には入れないと聞いていたのに、いとも簡単には入れたのです。
やはり私は、ここクロアチアでも強運だったのです。
狭い洞窟をボートがすりぬけて、中に入ると、そこは思っていた以上に美しい世界でした。
海面も、岩肌も、人も、先に入っていたボートも、すべてが青く輝き、幻想的な光景が広がっていました。
どこまでも青く澄みわたる水面を進むボートは、まるで青く神秘的な空間を飛んでいるかのように感じます。
わずかに差し込む太陽の光の加減で、このような世界になるのでしょうか。
船頭さんがクロチア語で一生懸命説明していましたが、残念ながら理解できませんでした。
でもこの美しさに、説明なんかいらないと思いました。 
洞窟の中にいたのはたった10分ほどでしたが、言葉では言い尽くせない体験をして、満足して帰ってまいりました。
ビス島にもどって、お世話になったご家族に、一緒に記念撮影を、と頼んだら、快く引き受けていただきました。
このたった10分間のために、離れ小島まで行くのは大変でしたが、一生記憶に残る10分間でした。









