後頭部を中心に、少しづつ頭が重くなる、頭全体が締め付けられる、といった症状があると、筋緊張性頭痛の可能性があります。
筋緊張性頭痛は、字のとおり首や肩の筋肉が緊張することによって、起こるわけですから、肩こりを解消することが予防につながります。
しかし、筋緊張性頭痛の患者さんには、肩こりを自覚してない方もいらっしゃいますので、「肩こりがありますか?」と聞いても、「ありません!」とはっきりお答えになる人もいます。
そういうかたには、まず肩こりがあることをわかってもらい、それを解消するよう、努めてもらうことが肝心です。
筋緊張性頭痛に苦しむ方は、デスクワークの人に、比較的多いのではないでしょうか。
下を向いて根詰めて作業する人、例えば美容師さんとか検査の仕事をする人、にも多い気がします。
筋緊張性頭痛には、いわゆる痛み止め、特にNSAIDsとよばれる薬が効く場合があり、ついつい毎日のように服用してしまう方がいます。
ロキソニンとかボルタレンとか、頭痛に苦しむ人なら心当たりがあると思います。
今日は大事な仕事があるから、予防のために飲んでおこう、なんて人はすぐに薬物乱用になってしまいます。
この、ついつい痛み止めを飲んでしまうことが、薬物乱用性頭痛へとつながり、治療を困難にしています。
痛み止めを飲みすぎると、薬が効かなくなってくるばかりか、薬がかえって頭痛を誘発することもありえます。
これが薬物乱用性頭痛となるのです。
では、薬物乱用にならないように、痛み止めをのまないようにするにはどうしたらいいか。
そうです、緊張性頭痛を予防することです。
肩こりの治療法すなわち筋緊張性頭痛の予防治療ですが、なかなか一言で述べるのは難しいのですし、ひとによって様々ですから、正解はないかもしれません。
柱は
①生活習慣の改善
②マッサージや針治療、電気治療など理学療法
③筋弛緩剤等の薬物治療
このうち、生活習慣について自分の私見を述べますと・・
もともと僕もひどい肩こり症で、学生時代にラグビーで首や腰を痛めていた、ということもありますし、脳神経外科手術で長時間下向いて作業したり、根詰めてじっと、顕微鏡覗いていたりしてたことも影響してます。
若いころはそんなの気にせずにいたのですが、今までのこんな生活が、今になって肩こりに苦しむ原因になっていますね。
腰もわるいこともあって、歩行時の姿勢も猫背で、反り腰で背筋が張ってなかったし。
でも何とかこれらは、克服しなければなりませんな。
そこで気を付けたのが、
①まず十分な睡眠をとる。
とりわけ枕には、こだわるといいと思います。首まげた姿勢で寝るのはよくない。
時代劇に出てくるような高い枕は最悪で、昔は肩こりの人多かったんじゃないかなって、勝手に想像しています。
若い人の筋緊張性頭痛の人に多いのが、夜中までスマホやっている人。
スマホやゲーム、パソコンなどのブルーライトが刺激になって、深い睡眠がとれないというのです。
やはりスマホは、就寝時間の1時間前までで止める、とか、決め事が必要です。
学生さんは、夜は勉強してて、眠くなったらそのまま寝る、というのはいかがでしょう?
②気づいたら姿勢に気をつける。
とりわけ猫背 反り腰にならないように。
それには体幹を普段鍛えておくことも大切です。
パソコンは根詰めてやらない。ときどき休憩する。
私は、もともとあまりスマホには凝っていませんが、やるときは下向いてやるようにしないことです。
③こまめに ストレッチする。
僕のおすすめのストレッチは、尊敬するジムのトレーナー(彼は若干26才ですが・・)から、教わりました。
体育館すわりして、両腕を膝にのせて、顔はお腹を覗くように背中を丸めて、大きくゆっくりと息吸って、さらにめいっぱい背中を丸める運動。
この際気を付けるのは、肩の僧帽筋には力いれないようにして、肋間筋をひろげることを意識して、ゆっくり十分息をすって、息吐く時は少しだけ吐いて、また十分に息吸って背中を丸めて広げる。
これを毎日10回ほど行うと、僧帽筋を持ち上げて息をしないで、肋間筋を広げて息を吸う癖がつくので、肩がこらないというのです。
だまされた思って、毎晩お風呂のなかで体育館すわりして、このストレッチをしていたところ、だいぶ肩こりは解消されました。
もちろん、某国営放送の某健康番組でも紹介されていた、「肘まげて肩をぐるぐる回す運動」でもいいですけどね。
仕事中でもこまめにできますからいいと思います。
④お風呂などで首や肩を十分温める。
温めることによって、筋肉の血流を改善して、筋緊張が和らぐことにつながります。
その他、「脱水に気をつけること」を強調している人もいます。
私は夜中トイレに行きたくなって、睡眠の妨げになるかと思って、あまりやってませんけど(;^_^A
先ほどものべたとおり、緊張性頭痛の予防法は、人それぞれで、正解はないと思います。
僕の私見が、筋緊張性頭痛になやむ皆さんの参考になれば、幸いです。
肝心なのは痛み止めに頼らず、生活習慣を見つめなおすこと、ではないでしょうか?
たまには良いこと言った、ということで締めたいと思います。