お盆も、あっという間に終わりまして、8月も後半です。
毎日暑い日が続いておりますが、これからも続くようです。
このお盆の期間中、当院では午前中だけ診察を行っておりましたが、熱中症らしき患者さんもたくさんいらっしゃいました。
皆様、これからも熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
ところで先日、私が尊敬する方が、最近亡くなりました。
外山滋比古さん、英文学者で評論家、数々の著書があります。
なかでも「思考の整理学」は、ベストセラーとなり、有名ですが、先生が亡くなってから、読みたい!と思って読んだ著書が、「逆説の生き方」です。
この著書の要旨についてですが、
人生はプラスとマイナスの交鎖であり、マイナスのあとに必ずプラスがある。
マイナスが先行して、マイナス・プラスの順番になるのがよい人生だ。
そう考えると、マイナスの時でも勇気がわいてくる。というような内容です。
例えば、不幸という敵があるから、それに負けまいという意思と努力が生まれる。
その敵とは、貧困だったり、病気だったり、幼いころの親との別れだったり・・
そしてつらい境遇に耐えている間に、幸せな人間が身につけることができない多くの力を、自分が身につけることができるのです。
一番大切なのは失敗を繰り返すこと。いっぺんでうまくいく、なんてことはこの世の中にあるわけがないのですから。
このような内容を、先生の目でみてきたエピソードや、歴史上の人物のエピソードを交えながら、評論しています。
私は、この年になって、外山先生がおっしゃることが、身に染みてわかるような気がします。
仕事上でつらいことは、何度もありましたが、その都度、きっといつか解決すると思って、乗り越えてきていました。
私生活では、それほど大きな不幸もなく、生きてきましたが、これから何か不幸なこと・マイナスなことがあっても、この本が強い味方になるでしょう。
先生が90歳を過ぎてから出版した著書ですから、その言葉には重みがあります。
皆さんも、自分が不幸だと思ったり、壁にぶち当たるようなことがあったら、この「逆説の生き方」を読んでみて下さい。
何かホッとして、自分の生き方を見直すことができるでしょう。
この先生、愛知県の西尾市出身なんだそうです。
私は、たまたま愛知県に住んでいるのに、一度もお会い出来ずにお亡くなりになってしまいましたが、直接先生の評論をお聞きしたかったです。
ご冥福をお祈りいたします。