本日認知症予防学会事務局から、こんなメールが来ました。
今外出自粛中の高齢者のために、何か認知症予防に帰する対策を打っていきたいと考えます。
全国の会員の方から、何か良い取り組みをしておられる事例を紹介いただければと思います。
オンラインで行っている取り組み、その他いろいろなアイデアがあるかと推察します。
いろいろな地域で皆様の活用できる取り組みがあれば、ぜひご紹介下さい。
私も、コロナウイルスの影響で、ステイホームしなければいけないのは、よく理解できるのですが、認知症の患者さんを、診ている立場からは大変困った問題です。
私もこのメールをうけて、少し考えてみました。
結局、月並みな意見になってしまうのですけどね。
認知症を予防するための柱は、大きくわけて次の通りです。
1 生活習慣病の予防(高血圧、糖尿病、肥満、喫煙)
2 運動不足にならないこと
3 人とのコミュニケーションをとること(社会的孤独をさける)
4 うつにならないようにすること
と考えます。
その他にも、食事や音楽療法や、認知症の薬についてもいろいろ研究されていますが、自分で気をつけてやっていただけることは、上記4点ではないでしょうか。
1の生活習慣病は、特に高血圧と認知症の因果関係が強調されているようです。ふだんの生活や、医療機関で薬を処方していただくことで、改善します。(ちなみに当院では禁煙外来もやっています。)
しかし、ステイホームの状態だと、2,3,4がやりにくくなってしまうのです。
外出しても行くところがないから、運動不足になってしまう。人とも会わないから、頭もつかわず、ストレスもたまり、気持ちもうつになる。
結果、認知症が予防できず、認知症になってしまう人が増えてしまう。
将来、ウイルスが終息しても、一度認知症が進んでしまうと、なかなか元にもどれない。
さらに身体も運動不足で動けない状態がつづく・・認知症がすすむ・・
負の連鎖ですね。
まず、話し相手や一緒に運動する仲間がいることが、肝心です。
ソーシャルディスタンスならぬ、家族間同士では、マスクしながらでも、ソーシャル・クローズがあってもいいのではないですか。
こんな時こそ 同じ県に住んでいる息子さんや娘さんは、なるべく認知症の患者さんの話相手になってほしい。もちろん、ご家族が誰もコロナウイルスに感染していないことが前提ですが。
外出自粛なのですから、家で、おじいさんおばあさんとこもってみたらいかがでしょう。
オンラインで、スカイプやフェイスタイムで話すこともいいと思いますが、高齢者にこの操作をしてもらうのは、困難かもしれません。
息子さんや娘さんが、やり方をおしえてあげて、他の友人とも話しましょう。
スカイプをつかって、介護する人とクイズを出し合い、頭の体操をしましょう。
運動ですが、天気のいい日は、マスクをしながら、川岸の公園など、ひとけの少ない場所で散歩しましょう。
今日はここまで、明日はここまでと距離をのばしていきましょう。
雨の日は、やはりユーチューブなどをつかって、自宅での体操を指導しましょう。
そして最後に、今は暗い世の中かもしれないけど、終息したら、これをしよう、あれしようと、前向きに夢をもっていただきたいです。(前々回ブログでも書きましたが・・)
うつにならないために。