あの時計は、恥ずかしながら私の手作りなんですよね。
手作りといっても、時計の機械と針、味わいある木の板、木の文字盤を、全部東急ハンズで揃えて、塗料を塗って組み立てただけなのです。
苦労っていえば、木の板の中心に穴を開けたことくらい。
大したことはなかったのですが、世界にただ一つのオリジナル時計であることには変わりありません。
時計を動かす機械は、当初アナログでした。
クリニックを開業したときから、この時計を待合室に掛けておいたのですが、新しい電池をいれても、どうも時間が少しずつ遅れてきてしまうようで、1ヶ月で数分ずれてしまうのです。
そこで、東急ハンズで目にしたのが、電波時計の機械。
最近新しく発売されたようで、さっそく古い機械をとりはずして、新しい電波時計に付け替えて、再びかけ直しました。
ところがところが、これがまた、しばらく正確な時を刻んでいたかと思うと、急に時計の針が回りだし、とんでもない時間で止まってしまうのです。
これでは、時計の役割をなしてません、ただのお飾りどころか、皆さんに迷惑ですよね。
しかたなく、またはずして、しばらく私の部屋に置いておいたのですが、そうしたらずっと正確な時間を刻んでいるんですよね。
二週間ばかり、正確に動いてましたので、自信をもって、先日また待合室に戻したのです。
ところが、初日だけよかったのに、またまたぐるぐるぐるって勝手に針が回りだして・・・結局、もとのように使い物にならない時計に戻ったのです。
再び再び壁から外して、時計のメーカーに直接尋ねてみました。
なんでも、窓の近くなら電波は拾うはずだ、というのです。
待合室には窓はたくさんあるので問題ないはずなのに・・・
あっ、ひょっとして、MRIの磁気が悪さしているのでは?と尋ねると、それは十分考えられるので、あきらめて、元のアナログに戻してください、とのことでした。
ということで、結局のところ、まわりまわって、アナログ時計に戻し、試運転してから、待合室の壁に戻ることになりそうです。
それまで、今日も、時計のない殺風景な壁を、眺めていたのでした。
