内科・脳神経外科・頭痛外来なら豊田市のむつおクリニックへ

09037576209

愛知県豊田市浄水町伊保原173-1

院長ブログ

睡眠薬についての講演に参加して

2025年3月30日

私事ですが、先週また一つ年をとりました。

 

今まで気づかなかったのですが、この数日間のうちに、同じ誕生日の患者さんを二人発見したのです。

 

言葉だけではありますが、お互いにお祝いをしたのは、いうまでもありません。

 

うち一人の患者さんは、わざわざ誕生日に合わせてご来院いただき、患者さんのほうから、おめでとうございます、と声をかけてくださいました。

 

以前から、私と誕生日が同じことを知っていらっしゃったんですね。

そして、「年をとっても、まだまだ私たちのために、元気で診療つづけてくださいね。」と暖かいお言葉をかけてもらいました。

どんな誕生日プレゼントより、嬉しかったのです(´;ω;`)

 

 

さて、春めいてきて桜もきれいな季節になってきました。

 

今の時期こそ、外に出て散歩なりサイクリングなり、運動できる絶好の季節です。

 

認知症予防のために、そして足腰鍛えてフレイルの予防をするためにも、是非皆さん外に出て運動しましょう!

今しかありませんよ~~

 

 

ところで、先日睡眠や休息は大事、という話をブログにのせましたが、去る27日に正しい睡眠薬の使い方についてのweb講演会がありまして、私はその開会のご挨拶を行ったのです。

 

講演はその名も、「不眠症治療戦略」。

 

睡眠薬については、精神科の先生がお詳しいでしょうから、この講演も精神科の先生がご講演されたのですが、全く専門でもない私が、なぜ担ぎ出されたかといいますと・・

 

専門性のある講演ではなく、他科の先生にも気軽に講演を聞いてもらい、正しい睡眠薬の使い方、睡眠の重要性を勉強してもらえるように、という配慮だったんだと思います。

 

私たち、内科も見ている立場の医師にとってみますと、

「なに⁈眠れない⁇ それならすぐに寝られる睡眠薬を出しておけばいいか。」って考えになってしまいます。

 

従来からある睡眠導入剤は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬という薬です。

 

しかし、ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、

翌日目覚めたときに、ふらつき、転倒し、骨折するリスクがあること。

また、依存性や離脱症状があることで、なかなかやめられなくなること。

といった、問題点があります。

 

そこで、オレキシン受容体拮抗薬といって、脳内の覚醒状態を維持するオレキシンという物質の働きを低下させて、睡眠を誘発させる薬が、近年発売されました。

 

こちらは、翌日に眠気を持ち越すことも少なく、ふらつきや転倒のリスクが少なくて、依存性も少ないと言われています。

 

さらに、演者の先生のデータでは、夜間頻尿までよくなっちゃうらしいんです。

 

夜中に何度もトイレに行って、そのたびに目がさめて、周りの家族も起こされて・・・

なんとかならない?? 

なんておっしゃる、お年寄りは多いですよね。そんな人にも向いてるかもしれませんな。

 

そういえば、20年くらい前にある病院に勤めていた時、その病院の泌尿器科の先生が、夜間頻尿の患者さんに、抗うつ剤を出していました。

 

当時は、なんでそんな薬を出してるのか、わからなかったのです。

 

このオレキシン受容体拮抗薬は、抗うつ剤ではありませんが、精神的なお薬が、夜間頻尿にも効くってことですね。

 

詳しいことを何も知らずに、講演会の開会の辞をやらせてもらいましたが、終わってみれば、とっても勉強になりました。