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院長ブログ

認知症に伴うBPSDの講演

2026年2月23日

前回の認知症の話の続きになってしまいますが、

 

先日、医療関係者むけの講演会を頼まれまして、僭越ながら講演をしてまいりました。

 

講演会と申しましても、大勢の聴衆を前に話すのではなく、webで配信ってやつです。

 

web講演会って、今どきのはやりですな。

 

お題は、「認知症に伴うBPSDへの対応」

 

講演といっても皆さんを前に話をするのではないので、あまり緊張もしないんですが、今回は何しろ、自分の専門外ですからね。

 

わたし、精神科専門医でも神経内科専門医でもないので、ちょっと、いや、けっこう勉強しました。

 

BPSDって、何のことかわからないですよね。

実は自分も講演頼まれるまで、何の略語か知らなかったんです(^^;)

 

そもそも認知症は、認知機能障害(中核症状)と、行動・心理症状(周辺症状)があるわけです。

 

認知機能障害は、物忘れが出てきたり、物事を考えて行動したり、秩序だってお話できなくなったり、時間や場所の認識ができないといった症状です。

 

その認知機能障害に伴う行動・心理症状のことを、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼ぶわけです。

 

平たく言えば、認知症の患者さんが、そわそわしたり、イライラして暴言はいたり、どこかに出て行ってしまったり、お金取られたと被害妄想を訴えたり、そういった異常な行動のことです。

 

BPSDはどうして起こるのか。

 

生理学的に脳は、感情をコントロールする、大脳の前のほうにある「前頭前野」と、感情を出させる「偏桃体」があってバランスが取れているのだそうです。

 

しかし、脳が衰えてくると、感情を抑える機能がある「前頭前野」の機能が衰えてきて、情動や衝動に関連する「偏桃体」の機能が、強く働いてしまいます。

 

そのため、認知症の人は、感情がむき出しになってしまいます。

 

そして認知症の人は不安感からそわそわしたり、不快感からイライラしたり、さらには被害妄想や暴言・暴行といった行動異常がでたり、しまいには無関心になり、何もする意欲がなくなったりしてきます。

 

BPSDは、環境の変化、たとえば病院や施設に入院・入所したり、介護者やまわりの医療従事者のちょっとした冷たい態度などで、発症・悪化します。

 

そうなってくると、介護している人たちも、患者さんたちにどう向き合っていくか、大変な問題ですよね。

 

BPSDの状態が悪くなると 介護者もいらいらがつのって、冷たい態度になり、さらにBPSDを悪化させ、悪循環になります。

 

認知症におけるBPSDをどうやって治療していくかは、重要なテーマです。

 

まずは、薬物を使わないで、経過をみていくことですが、

具体的には、患者さんを1人にさせない、寂しい思いにさせない。

介護者は、患者さんに優しく接する。

環境を変えてしまうような 不必要な入院や入所をさせない。

規則正しい、生活や食事や、薬品の提供を行うなど。

 

これらが崩れると、BPSDを発症、増悪させてしまうのですね。

 

非薬物療法でうまくいかず、行動心理症状が悪化すれば、向精神薬や眠り薬の使用をせざるを得なくなります。

 

でもそういった薬は、副作用が心配です。

 

震えや、歩行障害といった、症状(錐体外路症状)がでたり、

ふらつき ねむけがでて、動けなくなったりすると、さらに足腰が弱ってくるのではないか、、

 

今回は、そういった副作用が少なく、薬のさじ加減によってはBPSDの症状を減らして、認知症患者さんを正常の精神状態にもどさせる、ある薬を処方した経験について、お話させていただきました。

 

なんという薬かは、宣伝になるから言いませんけどね。

 

実際その薬を、BPSD症状がでた認知症の患者さん30人に、処方した経験ついて、報告しました。

 

結果は30人中18人ちょうど60%の患者さんが、症状がよくなり、副作用もなかった、という結果であります。

 

私は、微力ながら、これからも認知症の行動・心理症状で困っている患者さんの、診療にあたってまいりたいと思います。