前回の続きで、患者さんや仲間の医師会の先生たちから、アウシュビッツのあとはどこへ行ったんだ?って聞かれるもんですから、記憶の薄れないうちに、書き留めとこうと思います。
ブタペストからクラクフを回って、アウシュビッツに向かったあと、次に向かった目的地はオーストリアのウイーンでした。
ところが、ウイーンまでにさらに600kmくらいあったので、運転に疲れてしまい、夜になってしまったので、途中どこかで泊まろうと思いました。
ポーランドとオーストリアの間にあります、スロバキアっていう国を走っていたので、どうせならスロバキアの首都に行ってみようと思いました。
そのスロバキアの首都がプラチスラバって町なんです。
一国の首都にしては、こじんまりしている印象でした。
安くて、きれいで、駐車場があって、口コミがいいホテルって検索したところ、町はずれのビジネスホテル風のホテルを見つけ、チェックインしました。
夜9時近くに着いたのに、フロントの女性がとっても親切で、一生懸命、町の案内をしてくださいったのが、印象的でした。
その女性によれば、街並みを10分ほど歩くと、夜もやっているスロバキア料理のレストラン街があるというので、さっそく歩いて繰り出しますと、、
ホテルをでてすぐに、夜の丘の上にライトアップされた、きれいな大きな建物がありました。
これが町の象徴でもあるプラチスラバ城って、町一番の観光地だったんですね。
その脇の下り坂を下ってまいりますと、しだいに飲み歩いている人たちが増えてきて、さらに細い路地を降りると、レストランやら飲み屋さんやらが続々現れてきます。
どの店も解放的で、私のような独り者の旅行者でもすぐ入れそうな雰囲気です。
途中、たくさんの人が写真を撮りまくっている場所があり、近づいてみますと、道をまたぐようにして、大きな門がありました。
これがこの地の観光地、ミハエル門だそうです。
何も勉強せずに来たものだから、知らなかったのですが、プラチスラバって城下町だったんですね。
後で調べると、プラチスラバは城壁に囲まれた旧市街があって、このミハエル門は14世紀に造られた、ゴシック調の門だそうです。
どおりで立派!
これをくぐって降りたところに、フロントの女性に教えてもらった、店がありました。
たどり着くと、さっそくスロバキア料理とビールをいただきました。
でも一人で料理食べても、いまいち美味しくなくて、印象に残らなかったんですよね。
出されたスロバキア料理は、細かく切った茹でたジャガイモにクリームソースやらチーズがかかったような料理、マカロニにチーズがかかったような料理、などでした。
正直いいますと、どこにでもあるソーセージとビールのほうが美味しかった、というのが本音です。
それにしても、スロバキアのビールは、美味しくて安かった、一番のおすすめです。
翌早朝、町の中心にあるプラチスラバ城に歩いて行ってみました。
ホテルから歩くと結構な上り坂でしたので、歩いて20分くらいかかりましたが、その丘に建つ宮殿は、夜見ても立派でしたが、朝見てもやっぱり立派でした。
このお城、”ひっくり返したテーブル”と表現されているそうで、確かに真四角の形をして四隅にとんがった塔がある、独特の形をしています。
ここから見たドナウ川の景色は素晴らしく、川の向こうは違う国、これから向かうオーストリアなのです。
感慨深いものがありますなあ
朝早いので、お城の中には入れませんでしたが、お城の中庭の美しさと、城の外壁からみた景色のすばらしさ、目に焼き付いています。
午前中にプラチスラバを後にして、ウイーンへ向かいました。
プラスチラバからウイーンは車で二時間くらい。
今までの運転に比べればあっという間です。
ウイーンといえばモーツァルトっていうくらい、中世の街並みが残っていて、ゴシック調の街並みや石像だらけで、まさにタイムスリップしたような感覚になります。
可愛い目をした馬が引く、馬車もあちこちに見られます。
ウイーンに行った目的は、クリムトっていう画家の絵を見ることと、ウイーンにある国立オペラ座でオペラをみることなんです。
ウイーンについて、すぐクリムトの絵を観に、行くことにしました。
ベルヴェデーレ宮殿という立派な宮殿のなかに美術館があり、そこにクリムトの絵画が展示されています。
入場制限があるので、チケット買うと、入場時間まで1時間半もありました。
その間、宮殿を散歩したり、市街地を見物して、入場時間に入りますと・・
ありましたありました、クリムトの代表作「接吻」。
思わず感動して、この絵のTシャツやら、絵ハガキやら、買っちゃいました。
苦労して遠くまで来て出会えたのですから、感慨もひとしおです。
そしてよるは、いよいよオペラを観に行くことになりました。
ガイドブックによれば、ドレスコードが必要って書いてありましたので、一旦ホテルにもどり、この日のためでに持ってきたネクタイとジャケットに着替えて、お出かけです。
よく映画にもでますが舞台が下にあって、その前にオーケストラ そして一回に座席があって、その上にはラングロージェとよばれる個室(ボックス席)がたくさん並んでいます。
一つのボックスには6人掛け。
少々高いところから見下ろす席の、前のほうの席からだと舞台全体を楽しめる、とある人のブログに書いて買ったので、そこに席をとりました。
これが大当たり、一番前の座席は舞台全体が見渡せるうえ、前の座席にのみ、小さなテーブルがあり、そこに小さなパットが置いてあって、オペラの歌詞の訳が出てくるんです。
パットに、日本語もあったので、これをおしますと、舞台俳優が演じているオペラの歌詞の内容が、字幕で出てきました。
なんせ、オペラの歌詞はイタリア語ですから、これがなければ、全く何をいっているか理解できなかったでしょう。
オペラの題名は、愛の妙薬という劇です。
ある青年が恋する娘をお嫁さんにしたいと願うのですが、なかなかふりむいてくれません。
何とかして振り向かせようと、薬売りから愛の妙薬とされる薬を買うのですが、実はただの安ワインでした。
お金をだまし取られて、挙句に薬は全く効果なし。
そうこうしてるうち、娘は軍隊の隊長から求婚され、あわててその青年は妙薬を追加して買おうとするのですが、お金がありません。
そこで隊長にお願いして、軍隊に入隊して戦場に行ってお金を稼ごうとします。
結局は、その青年の情熱に娘は心を動かされ、青年と結ばれる、というあらすじです。
パットの翻訳機能のおかげで、劇の内容がよくわかり、とっても楽しめました。
ほんと、前の席が空いていてよかった。
もし皆さん行く機会があったら、是非個室の一番前の席をお取りください。
ウイーンは、すべてに観光に来た人を楽しませる、やはり人気の観光地だったのです。
最後は、またしても約600kmの道のりをドライブして、ブタペストにもどってブタペストも観光し、翌日帰途につきました。
ブタペストもとってもきれいな街でしたが、このことを書くとさらに長くなるので、このあたりでやめておきます。
1枚だけ、30分かけて登ったブタペストの丘の上で、知らないおじさんたちととった写真です。
以上、レンタカーで約2000km走って、勝手に好きなところを巡った、4泊7日の一人旅でした。