新しい糖尿病薬のSGLT2阻害剤についての話です。
この薬は糖尿病に対する効果があるだけでなく、肥満症に対する体重減少の効果があり、どの程度体重が減ったかということを、実症例を提示されて、お話されていました。
この薬の誕生は、肥満の糖尿病の患者さんには朗報ですが、脱水や尿路感染など副作用も多く報告されていますので、そのことを考慮にいれながら慎重に使いましょう、というのが講演会の趣旨です。
しかしその先生のお話のなかで、私にとって印象にのこったのは、食事療法をいかに患者さんに実践してもらうかについてです。
患者さんに、食事量を減らせとか、なるべく炭水化物や糖分をとらないようにとか、言うのは簡単ですが、なかなか実践できませんよね。
頭ごなしに言っても、「気をつけてるんですけどねぇ。」「そうですかぁ」で終わってしまいます。
一人暮らしの男性に食事療法を指導したときの話です。
その先生は、「寝る前にたっぷりの野菜や蒟蒻などを炊いておいて冷蔵庫に保存し、翌日はまずその野菜を、味噌や辛子や豆板醤など好きな味付けをして好きなだけ食べて、そのあとで肉や卵などのタンパク質、ご飯などの炭水化物をとりなさい。栄養バランスよく食べなさい。」と指導されているそうです。
そうすると、野菜が腸壁にはりついて、そのあとに食べたものの糖質吸収が妨げられるから、血糖値があがらないし肥満にもいいとのこと。
腸壁にはりつくというのは本当かどうかはわかりませんが、野菜でお腹いっぱいになれば本人の食欲もみたされるし、文句はでないというのです。
その上でSGLT2阻害薬を服用すると、目に見えてやせられるし、糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cも低下してきて、本人のモチベーションがどんどん上がってくるとのことでした。
その食事については、まず自分で実践してみてから(自分は糖尿病ではありませんが、やや肥満です)、患者さんに指導していきたいとおもいます。
そして、特にピンときたのが、その先生は腹部CTで内臓脂肪を定期的に測定して、患者さんに説明しているということです。
当院でも、腹部CTを使って内臓脂肪を測定できるのですが、日常の診療に追われて、あまり活用していませんでした。
下の図は、先日当院で内臓脂肪を測定したものですが、二人共30代男性で上が正常のひと、下が内臓肥満症の人です。
赤い部分はすべて内臓肥満の部分。
同じような体型の人で同じような年齢ですが、正常な人が100cm²以下なのに下の内臓肥満の人は220cm²もあります。
下の人、測定した図を見てびっくりしていました。
内臓脂肪は動脈硬化を進行させてしまいますから、このまま放っておくと大変なことになります。
当院でも内臓脂肪測定を積極的に行っていき、糖尿病や肥満治療に役立てたいと思っています。
内臓脂肪測定は、いつでも当院で、できますので、ご相談ください。
本日こちらは冷たい雨が降っていて、東京は雪だったとのことですが、もうすぐ暖かい春がやってきますね。
みなさん、外にでて運動しなければいけませんね。

